TVアニメ「MARS RED」超!先行上映会(11月1日)イベントレポート
“超!”早い第1話・第2話上映イベント 超!レポート!
2013年に上演された音楽朗読劇『MARS RED』は、実力派キャストが紡ぎ出す心揺さぶる物語と、朗読劇の概念を覆す豪華な演出と生演奏で人気を博し、2021年4月についにアニメの放送がスタートする。
2020年11月1日(日)。アニメの本放送に先駆けて「超!先行上映会」が、東京・ユナイテッド・シネマアクアシティお台場で開催された。
公演は第1話と第2話の先行上映に加えてトークショーも行われ、栗栖秀太郎役の畠中 祐、前田義信役の諏訪部順一、原作者でありアニメでは音響監督も務めた藤沢文翁が登壇した。
まずはアニメ本編の先行上映
会場を満たす高揚感もファンの期待値も最高潮に高まった瞬間、1回目のイベントは定刻通りにスタートし、まずは第1話と第2話が上映された。
第1話は零機関を牽引することになる前田義信が赴任してくるところから始まる。
残念ながらネタバレになってしまうためその詳細を伝えることはできないが、美しい作画やキレのあるアクションシーンはもちろんのこと、互いに守るものや抱えている事情があるからこそ、強く、ときに繊細で切ないストーリーが胸を打ち、会場中が息をのんだ。
客席から『MARS RED』への愛がたくさん伝わってくる
上映が終わると割れんばかりの拍手がホール全体を包み込み、いかにアニメ『MARS RED』を楽しんでくれたかが伝わってくる。
そこへ畠中 祐、諏訪部順一、藤沢文翁が登壇し、最初のコーナー「キャスト・アニメトーク」がスタートした。
まずMCから第1話と第2話の感想を聞かれた3人。藤沢は「よく朗読劇がここまできたなというのが率直な感想で。今回上映した分を収録していたのはコロナ前だったので、アフレコ終わりによく飲みに行っていたのが懐かしいです」と当時を振り返り、畠中は「第1話の切なさたるや。そして第2話も少しモヤっとした気持ちを抱える結末だったので、みなさまテンション大丈夫でしょうか?」と客席を気づかいながら場を和ませる。
「まさかアニメ化される日が来るとは。感無量です」と続けた諏訪部が『MARS RED』の音楽朗読劇を観たことがあるか問いかけると、8割近くのファンが手を挙げ、作品の愛され度合いを実感することができた。
初めての音響監督。その仕事ぶりは…?
ふたつめのトークテーマは「原作者が音響監督!? そのとき栗栖は…前田は…?」。
キャストには各キャラクターを演じるにあたってどんなことを意識したのか、また原作者が音響監督を務めるアフレコ現場の様子について語ってもらった。
ここで飛び出したのは、藤沢が自ら音響監督を担当することについて事前に諏訪部に相談したという裏話だった。
「キャラクターの心情などを確認したい時、原作者様なら話が早くて助かりますし、音響技術的な面はエンジニアさんがサポートしてくれると思うのできっと大丈夫ですよ」という諏訪部の言葉にも背中を押され、音響監督を務めることにしたという。
そして『MARS RED』にはアニメで初参戦となる畠中は「ベテランぞろいのキャストの中で緊張し、借りてきた猫状態でしたが、アフレコ前に藤沢さんがコミュニケーションをとって流れを作ってくださったので演技に集中できました」と当時の心境を語った。
現場では演者のための空気づくりもしていたという藤沢の音響監督ぶりだが、最初の頃は舞台演出の癖が抜けずに「二幕目のシーンですが…」などとうっかり口を滑らせてしまい「Bパートですよね?(笑)」と諏訪部から突っ込まれたエピソードも披露した。舞台演出家と音響監督との違いを尋ねられた藤沢は「舞台は生き物なので毎回同じ演技はできないし、最高の演技が飛び出しても次の日に同じ演技を求めることはもうできない。その点、アニメは最高の演技を未来永劫保存できるのが素敵だなと思いました」と彼ならではの舞台とアニメの違いを語っていた。
新たなメディアミックスの可能性……!?
トークテーマが「史上初! 朗読劇からアニメ化へ」へと移り、アニメ化についての感想を聞かれた藤沢は「朗読劇がメディアミックスするという前例が生まれたことで、また新たなる可能性が生まれたのではないか」と音楽朗読劇のアニメ化という史上初の試みへの手ごたえをのぞかせる。
音楽朗読劇、アニメの両方に出演している諏訪部は「2013年の初演時、従来の朗読劇の概念を超える多くのド派手な視覚演出や、リッチな生演奏とのコラボに驚きました」と思い出を語りつつ、「声優として、持ち役をアニメで演じられるのは本当にうれしいです」と喜びを口にした。
朗読劇の話をひたすら頷きながら聞いていた畠中が、栗栖秀太郎役に決まったときは信じられずマネージャーに何度も確認をしたというエピソードを披露すると、諏訪部が「実はドッキリです。このステージがネタばらし」と囁く。
思わずイスから立ち上がり「ドッキリだったら泣く!」と声をあげた畠中に、会場は大きな笑いと拍手に包まれた。
ドッキリ話のせいかどこか落ち着かない様子の畠中へ、MCから渡された新情報解禁のバトン。
まさか仕掛けられた本人によるドッキリ報告ではあるまいと会場中が9割の安心と1割の不安を抱くなか、2021年4月放送開始であること、そして第3弾となるキャスト発表が行われた。
ドッキリでなかったことにガッツポーズを見せる畠中に、その場にいた全員が癒されていたのは言うまでもない。
そして、山上徳一役の山寺宏一、デフロット役の沢城みゆきからはメッセージも届き、アニメ『MARS RED』の今後の展開にさらに期待が高まっていった。
彼らの生き様と繊細で切ない今後のストーリーに注目
情報告知コーナーでは、藤沢からアニメグッズのマグカップに使用されているロゴについて、作中でタケウチが発明したアイテムにつけられている“タケウチ印”であることが明かされ、購買意欲を刺激する思わぬ裏設定に会場からは感嘆の声が上がっていた。
最後には抽選会が実施され、本イベントは幕を閉じた。
締めの挨拶では「まだ放送開始まで5カ月近くありますが、その間にオープニング曲、エンディング曲を誰が歌うかなど情報解禁もありますので楽しみにしていてください」と藤沢がファンの期待を高めていく。
さらに、諏訪部は「社会的マイノリティであるヴァンパイアたちがどう生き、どう散っていくのかもこの物語の見どころだと思います。どうか最後まで応援よろしくお願いします」
と語り、畠中は「朗読劇から愛し続けてくださっているみなさんのご期待に応えられるような作品になっていると思いますし、そうなるように僕も精いっぱい演じさせていただきました。遠い存在に思えるヴァンパイアを近く感じるほど、繊細で切なくて胸が締めつけられる『MARS RED』を、いろんな方に観ていただきたいなと心から思っています」と、作品の魅力を改めて語り締めくくった。
アニメ『MARS RED』の放送開始まで5カ月あまり。その間もさまざまな情報解禁やグッズの発売など、ファンを退屈させない仕掛けがたくさん用意されているので乞うご期待!
※当日は、新型コロナ感染対策としてアルコール消毒と検温、
ソーシャルディスタンスを保たれた状態で上演されました。